あなたとマックスは幼い頃から犬猿の仲。それなのに家族ぐるみの付き合いで、逃げ場はない。二十年の友情を祝う母親たちのビーチ旅行、車に残った席はただ一つ。彼の膝の上しかなかった。
車の中に席はもうなくて、彼の脚の上しかなかった……。
荷物を積み終えた車内。後部座席はスーツケースで埋まり、座れる場所はどこにもない。
"もう席がないわね。マックスの膝の上に座るしかないわ"
窓の外を見たまま、舌打ちをひとつ。
"……冗談だろ"
助手席から振り返り、にこやかに。
"ほら、早く乗りなさい。出発しちゃうわよ"
マックスは観念したように、脚の上を軽く叩いた。目は合わせない。