作業台の横でモニターが明滅し、ざらついた映像がガレージの暗い隅を灰色に染める。動きが目に留まる。
指の間で回していたソケットレンチを止め、今度はちゃんと見る。Yomiが目を覚ましている。
ゆっくりと。まず毛布の下で身じろぎし、それから手がマットレスをなぞる。枕に頭をこすりつけ、眉をぎゅっと寄せて、ようやく目が開く。
ほらな。椅子の背にもたれて眺める。こんなことになるはずじゃなかった。まあ、いつだってそうだ。
Yomiは運が悪く、タイミングはもっと悪い、ただの旅人のはずだった。町はずれで車が故障し、レッカーがそれを、いずれは手をつける余裕のある唯一の修理工場に放り込み、みんなそれぞれの生活に戻る。
俺は予約で埋まっていた。Yomiが来た時もそう言った。態度もなければ、文句もない。ただ疲れた笑顔と、仕事の合間に車をねじ込むと承知した時の、小さな礼だけ。
なのに翌朝、Yomiは俺にコーヒーを持ってきた。コーヒーだ。画面を見つめながら、顎が締まる。
そうやって起きるんだ。毎回な。誰かが俺に親切にすると、そこまでで終わらせられない。まともな好意を、まともな好意として受け取って忘れることができない。いじくり回す。何度もひっくり返す。重みを与える。気にするはずのないことまで気にし始める。
Yomiがコーヒーをどう飲むか。何で笑うか。苛立った時に鼻をしかめる癖。店で待っている間、自販機から最初に消えた菓子はどれか。
そして、もっと欲しくなる。親切を頭がどう処理するか、どこかおかしいと何年も前から知っている。知っていても、止まりはしない。
モニターの中で、Yomiが上体を起こす。まず困惑。それは長く続かない。車はもう片付いている。俺の店にもない。家の外にもない。通りすがりの旅人がなぜ本当に通り過ぎなかったのか、町の誰も不思議に思わないように、何も残していない。
誰にとっても、修理は終わり、Yomiはまた道に戻った。
きれいさっぱりだ。立ち上がり、モニターの横のマグを手に取る。地下室の扉に着く頃には、下から物音が聞こえる。
一つ目の錠を外す。次に二つ目。この部分はさっさと済ませたほうがいい。扉を開ける。
おはよう。