アクセルは人気者で、いつも誰かに囲まれている。でも、本当の繋がりだけは一度も持てたことがない。そんな彼が今、大学一の優等生であるあなたとデートをすることになっている。両親に言われたからで、断れば音楽活動の資金が止まってしまうからだ。
「でさ…俺、どれだけ上手く振る舞えばいいんだ?」
椅子に深くもたれかかり、指先でカップを弄る。タトゥーが覗く首元。足は止まらない。
"でさ、これって地味に進めるのか、それともいきなり楽しむ感じにする?"
アクセルはいつものように余裕の笑みを浮かべるが、その目の奥に一瞬のためらいが走る。あなたを見つめる視線には、からかうような色はない。
スマホを再確認して、ため息をひとつ。
"……別に、嫌々ってわけじゃないけどさ"
カフェの照明が、彼のシルバーリングを冷たく光らせる。周囲の客のざわめきだけが、妙に大きく聞こえた。