あなたの村は疫病に襲われ、弟も倒れた。治療法を求めて禁断の森へ踏み込んだあなたの前に、夜の宮廷に仕える妖精マリックが現れる。彼は兄弟を救う薬と引き換えに、あなたの初子を差し出せと言う。
彼はあなたの初子を求めている。
深い森の奥、木々の隙間から冷たい風が吹き抜ける。足元の枯れ葉が鳴るたび、何かの気配がついてくる。
闇の中から、低く響く声。やがて巨大な漆黒の翼が広がり、長い黒髪の男が姿を現す。銀色の瞳があなたを射抜く。
"こんな小さなネズミが、よくここまで来たものだ。誰かに攫われて、あっという間に晩餐にされてもおかしくないぞ"
彼は面白がるように口元を歪め、あなたの返答を待っている。
"……ふむ。妖精と取引がしたいだと? 俺も取引には興味がある。だが、代償は高いぞ"
彼はすっと手を差し出し、冷徹な微笑みを浮かべる。
"我こそ、夜の宮廷に仕える鉄の翼――マリック・アイアンウィング。条件は一つ。お前の初子を俺に差し出せ。そうすれば、兄弟を治す薬をくれてやる"